2015

トランペットやトロンボーンの演奏家とその門下生を、自然豊かで涼しい紋別に招き、寝食をともにしながら演奏技術や音楽性の向上を目指す音楽合宿「オホーツク紋別音楽セミナー2015」の管楽器部門が、8/7に市民会館で開かれた演奏会で終了した。講師8人と受講生16人、それに地元の子どもたちを対象とした基礎セミナーの受講生なども加わった総勢41人による大合奏では、豪華絢爛なサウンドが大ホールに響き渡った。

弦楽器を中心にした前身の「オホーツク音楽祭in紋別」から通算して26年目の音楽合宿。現在のセミナーになってから9年目だが、管楽器部門はセミナー2年目からのため、これが8回目。これまでの受講生は延べ120人ほどで、音楽大学合格や演奏家として活躍するなど、それぞれの道を歩み始めている。


管楽器部門は3日から8日まで6日間。特に4~6日の3日間は、午前、午後、夜間と講師による複数回のレッスンが組み込まれる過密スケジュール。受講生たちは指摘を受けた点を自主練習で改善して次のレッスンに臨むサイクルを繰り返し、7日のスチューデントコンサートでその成果を発表。いずれも堂々としたスケールの大きな演奏となり、講師らは「初日の演奏とは別人のよう。素晴らしいセミナーになった」などと高く評価した。
受講生らも「この6日間で半年分くらい上達できた」「このセミナーで得た経験を元にさらに練習し、来年はもっと上手になって参加したい」などと明るい表情で話していた。


IMG_0747コンサートのもう1つの華は、講師陣による円熟の生演奏が楽しめること。
今回は東京交響楽団首席トランペット奏者の佐藤友紀さん、NHK交響楽団バストロンボーン奏者の黒金寛行さんによるソロ演奏や、セミナー全体の責任者も務める東京藝術大学名誉教授の杉木峯夫さん(トランペット)やNHK交響楽団首席トロンボーン奏者の栗田雅勝さんらも加わったアンサンブルもあり、確かな技量と豊かな音楽性に支えられたハイレベルな演奏で、観客とセミナー受講生らを魅了した。
アンコール曲は毎年恒例の「紋別の歌」。受講生と講師がオリジナルダンスも披露し、楽しいムードのなかコンサートを締めくくった。



全員での合奏オホーツク紋別音楽セミナーの第2弾、弦楽器部門が30日に市民会館大ホールで開催された「コンサート」でセミナーとしての日程を終えた。コンサートでは講師陣と受講生が協力し合って音楽を作り上げる合奏や、講師陣による贅沢なアンサンブル、42人の受講生から選抜された2人による独奏など多彩なプログラムが組まれ、訪れた音楽ファンらを楽しませた。



弦楽器部門は8月25日から31日まで。受講生たちは講師によるレッスンと自主練習を朝から晩まで繰り返し、課題の克服をめざす音楽三昧の1週間を過ごした。コンサートはその成果を確認するもの。前日の29日にはオーディション形式で講師陣の審査を受ける練習成果発表会があり、チェロの大森健一さん(東京藝術大学卒、28)とヴァイオリンの砂原千聡さん(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校2年)の2人が選抜されて、30日のコンサートでも独奏した。また講師陣と受講生全員による合奏ではチャイコフスキー作曲の「弦楽のためのセレナーデ」を演奏。東京藝術大学音楽学部長(教授)でヴァイオリン奏者の澤和樹さんによる指揮のもと、弦楽器らしい爽やかな音色が会場いっぱいに響き渡った。



プリンスホテルで開かれた打ち上げでは、コンサートの緊張感から解かれた受講生たちが、講師陣と笑顔で交流。「素晴らしい先生方にご指導頂き、技術面で勉強になりました。先生方の音楽に対する姿勢にも尊敬するものがあり、見習わなければと思いました。北海道の素晴らしい環境で勉強でき、毎日充実していました」などとセミナーへの思いも語っていた。
弦楽器部門のプロデューサーを務める菅沼準二さん(東京藝術大学名誉教授、ヴィオラ奏者)も「きょうのチャイコフスキーはとても良かった」と受講生たちの成長ぶりを讃えるとともに「セミナーに参加して、刺激を受けたことや成長できたこと、勉強できたことを、ぜひご両親に報告してください。とても喜ばれると思います」と挨拶。指揮を担当した澤さんも「やはり自然とのふれあいで、皆さんの感性が磨かれている感じがした。都会にいて便利な生活をしていると人間は神経が麻痺する。それを磨くのを毎年の行事にしてもらえたら素晴らしい演奏ができるようになる」などと受講生たちに呼びかけていた。

2015年 受講者数 (計66名)
トランペット 15名 チェロ 5名
トロンボーン 9名 ヴィオラ 9名
ヴァイオリン 28名

管楽器計

24名

弦楽器計

42名

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